和歌山市立西脇幼稚園

よりよい環境に

「幼児教育は環境を通じて行うこと」が大切です。
本当に、環境は子ども達にとって重要な意味を持ちます。「ことば」と同じかそれ以上に「環境」が、子ども達のより良い成長への働きかけが大きいのではないかと思うこともあります。

西脇幼稚園は、4年前に、「園庭芝生化」をしました。土のグランドと、芝生の園庭では、子どもの動きが違うように思います。芝生は、こけても大丈夫です。それまで、すねに「傷テープ」を貼っていましたが、今は、そんなことはありません。初夏には、バッタの赤ちゃんがとんでいたり、秋には、トンボが飛びまわっていたりと、土のグランドの時とは、景色が違います。

園庭の砂場の横に大きな月山をこしらえました。広い砂場と連携しながら水を流したりする姿もあります。月山の上までかける上がり、斜面を走り降りる。砂を掘る。水をためる。水と砂を混ぜる。料理に見立てる。

「すなばですべてを学んだ」という詩がありますが、子どもたちは、砂場と山と水との自分の世界の中で、想像を膨らませ、友達と一緒に、何かを作り、ためし、しっかりと遊びこむ姿があります。
集中して遊ぶことであったり、友達と協同作業をすることであったり、試行錯誤する姿だったりと、楽しみながら学びを広げていく様子があります。

学びは、主体的であることが大切です。

教師側の意図することを、子どもが自分のやりたいことに変化していく物語を教師が、支援していくことが大事と考えています。

子どもをただほっておくということではありません。

先生が作り上げてしまうということでもありません。

先生の想いを「環境」として、そこに出しておいて、子どもがそこから「選択」することで、自分が主体者として「やりたいことをしていく」。だから、子どもが選択することができる余地を大事にしながら、「環境を準備する」ことが、教師としては大事になると考えます。

先生の考えた枠の中だけしか、子どもが活動できないという、強固な枠でなく、「時間と安全な場」の枠は、教師はしっかりともっていたとしても、「思いの枠」は、主体者である子どもの意欲を大事にしながら、作り変えていくことが大事であると考えます。

子ども理解をすすめるなかで、子どもに必要な、子どもがより主体的に、自分が初めから考えたかのごとく、まさしくしたいことに取り組める環境を、意図的に準備する力量。

そして、子どもの意欲を更に大きくするエネルギーを注ぎ入れられるような、教師の力量がそこにある。

それらをふくめて、「こどもにとってのより良い環境」であるし「環境を通した幼児教育」であるように思っています。

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