和歌山市立 西和中学校

いじめなくそうデー(R5.12)

「いじめられている君へ いじめている君へ いじめを見ている君へ」(朝日新聞出版より)

これは、いまから10年ほど前に出版された本で、ここに収められた著名人63人の言葉は、自分が経験したことを通して、読者に何かを伝えようとしています。それぞれ語っていることはバラバラですが、それでもその中に共通するメッセージがあります。それは、真剣に「いじめ」を考えてほしい。そして、ひとりで悩んでいるきみには、もっともっと生きてほしい、という思いです。これから、その一部を紹介します。そしてできたら一度この本を読んでみてください。

【いじめられている君へ】

「大きな夢が支えてくれる」 松本 零士(漫画家)

あなたはいじめられて悔しい思いをしているだろう。涙を流しているかもしれない。その涙は恥ではない。有史以来の英雄もどんな人でも、泣いたことのない人など、ひとりもいないはずだ。絶望しないでほしい。いつか笑う日がくることを信じてほしい。

あなたの人生ははじまったばかりだ。目の前には、時間という宝物がある。無限大の可能性がある。未来は両手を広げてあなたを待っている。・・・・(中略)

あざけられたり、ひやかされたりしてもかまわない。いちど見つければ、あとは夢があなたを支えてくれる。だれに何を言われても気にしなくていい。大人には時間だない、あなたにはある。なにより自分の人生は自分で決めるべきものだ。

さびしくなったら、ひとりぼっちではないことを思い出してほしい。お父さんとお母さんがいたから、あなたがいる。お父さんとお母さんも、そのお父さんとお母さんがいたから、生まれてきた。

あなたの体の中には、ものすごい数の先祖代々の思いと夢がつまっている。あなたは、それほど多くのものを受け継いでいる、とても大切な人間なのです。

 

【いじめを見ている君へ】

「声をあげて 自分のために」 江川紹子(ジャーナリスト)

いじめを見たり聞いたりしても、誰かにそれを伝えるのは大変かもしれません。今度は自分がいじめられるかもって、不安になりますよね。でも、気がついて人が言わないと、その子は助からないんです。

中学校のころ、クラスで少しさけられている女の子がいました。男子から容姿をからかわれていました。仲良しの女の子が一人いたことで、深刻ないじめにはなりませんでした。

でも、卒業後しばらくたった後の同窓会で、仲良しだった子が言ったんです。

「あの子、亡くなったよ。」

場がシーンと静まりかえりました。原因は病気できたが、みんな心のどこかに、あの頃のことが痛みとしてあったんです。

いじめられた子が自殺したり後遺症を残すけがをしたりしたら、周りの人たちはすごく後悔することになります。いじめを傍観するのも、いじめの一種。被害を出さないためにも、自分が何もしなかったことでしんどい思いをしないためにも、声をあげてほしい。・・・(後略)

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