西国三十三カ所 第二番札所 紀三井寺
紀三井寺は、名草山の中腹にある。紀三井山護国院金剛寳寺といいます。宝亀元(770)年、唐から渡来した為光上人が建立したといわれています。十一面観音立像(重要文化財)は、為光上人の作で50年に一度だけ見られるそうです。また、紀三井寺は、西国三十三カ所第二番札所として信仰を集めています。紀三井寺の由来は、清浄水、楊柳水、吉祥水と名付けられた三つの井戸があり、「三井寺」と呼ばれていました。しかし、近江にも「三井寺」があったために、紀伊国の三井寺ということで「紀三井寺」と呼ばれるようになったといわれています。
清浄水は、表坂の石段の中程にあり、仏さんのお持ちになった瓶からわき出たお水で、飲む人の罪を消すといわれます。
楊柳水は、柳の木の枝葉からしたたり落ちるお水が、飲む人の病気を治すといわれます。
吉祥水は、裏坂の旧熊野街道沿いにある石地蔵を登った滝で、飲む人に幸福をもたらすといわれます。
今では、日本名水百選に選ばれるほど、おいしい水として人気があります。また、紀三井寺は、桜の名所としても全国にその名が知られています。境内には、千本もの彼岸桜があります。この桜は、関西一の早咲きの桜の名所として知られています。
「 見上ぐれば 桜しまふて 紀三井寺 」
かつて、この地を訪れた松尾芭蕉は、境内の見事な桜をこのように詠んでいます。
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名 草 山 | 山腹の紀三井寺 |
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紀三井寺の表門 | 231段の階段 |
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清 浄 水 | 紀三井寺の裏門 |