和歌山市立福島小学校

学習評価

「学期末」という言葉を聞くと、小学生の保護者が気になりだすのが「通知表」「昼ごはん」ではないでしょうか?子どもを通知表だけで評価するのはいかがなものかと思いつつも、かなり気になる保護者の方が多いと思います。特に、新1年生や高学年の児童の保護者は、期待と不安で胸が膨らみ、「え!テストの点がいいから、もっと良いと思っていたのに…」なんて、子ども以上に凹んでしまうこともあります。そこで、通知表の評価方法をご紹介します。

通知表の評価方法とは?

保護者の皆様の時代と今とでは、通知表の評価方法が変わっています。「相対評価」「絶対評価」という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?評価方法が変わっていますので、自分の頃の通知表と同じ見方をするのはNGです。まずは、現在の評価方法についてしっかりと把握してください。

小学生の通知表!昔と今の評価方法の違い

保護者の方が小学生の頃、通知表は「相対評価」でつけられていました。相対評価とは、自分がクラスのどのあたりに位置するのかで評価されるという、運も関わってくる評価方法です。

例えば、「クラスの上位30%にA、下位20%にC、その他にBをつける」という方法です。これだと、足の速い子が多い学級の子の場合、他の学級の子よりAをとりにくくなってしまいます。また、学年にクラスが2クラス以上ある場合、平均値に差がでてしまい、できる子が多いクラスでは、よい成績をとりにくくなります。

相対評価の全てが悪いとは言い切れませんが、これからの努力でいくらでも明るい未来が待っている小学生にとっては、モチベーションが下がり能力を開花しにくくなってしまう評価方法です。 そこで、2002年頃から「絶対評価」を導入し、現在の小学校では絶対評価で通知表がつけられるようになりました。

絶対評価って何?

通知表での絶対評価とは、クラスの中での相対的な位置づけとは関係なく、児童一人一人の学習状況を、達成度でA、B、Cなどの三段階に評価したものです。

小学生の通知表3段階評価の基準

 「A」…十分満足できる  「B」…おおむね満足できる  「C」…努力を要する

これらの評価は、原則として各教科を4つの基準を元に行います。通知表に記載される「学習のめあて」「観点」などの項目の内容は、学年や学校により項目数に違いがあり、例えばある学校の1年生の国語では8項目、6年生では5項目などで評価されますが、基本的には次の4つの評価基準を元に評価項目「学習のめあて」が決められています。

小学校の通知表4つの評価基準

「意欲、関心、態度」 「思考、判断」 「技能、表現」 「知識、理解」

そのため、日常のテストなどからは想像できない結果になることも…。例えば、テストの点はいいけれど授業態度が悪かったり、つまらなそうに授業を聞いていたりすると、テストはオール100点でもAといった最高評価がとれないことがあります。 逆に、そのクラスに塾に通う子が多く、クラスメートは100点で自分の子だけ90点でも、日頃から熱心に授業を聞き、発表を行うなど積極的に授業に参加し、一生懸命考えたり宿題をきちんと提出したりしていることから、意欲や関心、態度の評価が高いためAをもらえることもあります。

つまり、「知識、理解」だけで教科の成績をつけるのではなく、4つの評価基準ごとの成績をトータルして教科の成績をつけることになっています。当然、日頃からの小テストなども含まれています。

絶対評価では、原則として他の児童と比べることなく、個人の学習状況の達成度に応じて成績をつけます。塾などに通って勉強ができる子がよい成績をとりやすい相対評価と違い、頑張ればよい評価がつきやすい絶対評価の方が、どものやる気が成績に反映されやすく、子どもが自分の評価を受け止めやすいのです。また、能力を向上させるために何が課題となるかを理解しやすいです。

さらに、評価する先生側も、児童一人一人の状況を他の子と比較せずに把握しやすいため、一人一人に合う指導をしやすくなるというメリットもあります。

通知表への声かけ

保護者の方にとって、通知表で最も大切なのが「声かけ」だと思います。しかし、保護者の片方がどんなに子どもを伸ばす声かけをしても、もう片方が台無しにしてしまうこともあります。保護者の声かけの仕方を統一しておくことが大切です。

子どもが伸びる声かけのポイント

  「自信を持たせて、勇気づける」  「保護者の笑顔」

「通知表を見た保護者の方が、コレをすれば子どもが伸びる!」という声かけが、自信を持たせて勇気づける声かけです。顔が怒っていたり、イラついた表情で「ココ、よく頑張ったね」などと褒められたりしても、子どもは自信をもつことができません。笑顔も大切です。

自信のある人は勇気もあります。ありのままの自分の状態を受け入れられる勇気です。ですから、保護者が通知表を見て自信を持たせる声かけをすることで、子どもは勇気づけられて自分の状態を客観的に受け止め、成功するための方法を考えやすくなるのです。

通知表の成績が悪い子への声かけ

「こんなに成績が悪いのに、どうやって自信をつける声かけができるの?」と思っている保護者の方は必ずいるはずです。

例えば、勉強のやる気や知識が「がんばろう」の子でも、音楽や図工の表現力が「よくできる」だったり、体育だけはよかったり、あるいは「学校生活の様子」で責任感に「よくできる」に〇がついていたり…。前の学期の評価が今回もキープできているというのも、褒めるポイントになります。担任の所見にも、褒めるべき部分が記載されているはずです。

自分で気づいて「やろう」と決めるからこそ、努力や結果に繋がります。保護者の方は、子どもを信じ、常に自信をつける勇気づけを行い、自己肯定感を高めてあげてほしいと思います。

自己肯定感とは、自己(自分)の価値や存在意義を肯定(認めて評価)する感情を意味する言葉です。「いい子だったら肯定できるかもしれないけど…」と思った方、自己肯定感とは、自分の良いところだけでなく、悪いところも認め、「これが自分だ」と自信を持って言い切れるポジティブな自己評価の感情です。自尊感情や自己存在感、自己効力感などとも表現されることがあります。

和歌山市では、平成28年度から通知表はコンピュータで処理し印刷することになりました。本校でも、学期ごとに成績を印刷して児童に手渡ししています。1・2学期は、普通紙での配布となりますが、3学期は残せるように厚手の用紙に印刷してお渡しします。また、通知表は渡しきりとなります。保護者印を押して、担任までお戻しいただくことはしておりません。ご理解よろしくお願いいたします。

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