和歌山市立 貴志中学校

情報教育

電子黒板を活用した教育に関する調査研究

1.研究の主旨

 電子黒板を効果的に教育活用するために別途文科省が設定する企画委員会との連携を図りながら、各学年及び各教科に応じた授業モデルを策定する。さらに他のICT機器との連携を図るために、どの教室でも本格的に電子黒板を活用する運用体制を検討する。

 2.電子黒板の活用促進のための取組み

①研究体制の取り組み
 本研究を組織的・有機的に進めるために、導入準備委員会をつくり、校内研修及び実践授業研究の企画・提案や支援体制づくりに取り組んだ。
②校内研修の取り組み
 校内研修においては、全教員が電子黒板を含めたITC機器を使用でき、有効な道具であることを教員が実感して,より効果的に活用するための校内研修を実施した。特に、ITC機器のスキルアップと活用の有効性をアピールし,教員の負担軽減をも意識の向上に努めた。
③実践授業研究の取り組み
 授業研究では、準備委員会のスタッフが支援を行いながら、教科及び教育活動(学年)の授業内容・授業方法の工夫・改善に取り組んだ。

《学年の実践研究》
 体育館などで講話や視聴覚機器を利用して展開してきた授業を、教室で落ち着いた中で実施できる効果的な授業に取り組んだ。

《教科等の実践研究》
 普通学級、特別教室、特別支援学級等で、全ての教科が電子黒板を活用して、効果的な授業改善に取り組んだ。現在まで、数学科、社会科、英語科、美術科、保健体育科、家庭科、特別支援学級等で電子黒板を活用した授業に取り組んでいる。無理なくできるところから実践している 。

3.研究の総括

 本校の課題解決に向け、有効な道具であることを教員が実感し,より効果的に活用するための研修を実施してきた。特に、ITC機器のスキルアップと活用の有効性をアピールし,教員の負担軽減をも意識させた。その結果,教員の「負担になる」という意識から「授業に効果がある」また,「負担が減る」というように意識が変わり始めている。 電子黒板を活用した授業では、生徒が興味・関心を持って学習に取り組んでいる姿が見られる。視覚的にうったえる映像で見せたり,動画や音声などで教材を提示したりすることで分かり易い授業になっている。教育用コンテンツや授業内容・授業形態によるもの等,様々な要因があるが,教員の意識やスキルと使用環境の課題を乗り越えることで,電子黒板を導入による教育効果が実現できる。今回の研究や実践を通して、教員の授業改善の意識が向上し、全ての教員が電子黒板等を利用できる体制も整いつつある。

4.課題

・40人学級編成の生徒が学習と生活の場として使用している教室に、DVD等を入れたボックスと一体にした電子黒板を常時設置していくことはスペースや危険性に問題が残る。
・スキル向上と授業での効果的な活用を求めて取り組んでいるが、教師1人に1台のPCがない環境で、教材の作成・ITC機器の複合的な利用を行っている現状では、十分な「負担軽減」には至っていない。DVD、書画カメラ等の手軽に活用できる機器については、教材の作成等の「負担軽減」に繋がる。これを切り口として、どう発展させるか課題である。
・教員が目の前の生徒に最も相応しいコンテンツ・教材・授業形態を開発していくには,まだまだ時間が必要である。「面倒だ」という思いが先立つと活用は無い。時間短縮と密度の濃い授業を展開するため,教員一人ひとりの力量を上げていかなければならないが,校内研修だけでは不十分である。サポートできる人材の育成と学校への配置が望まれる。

 

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