学校教育は、人間尊重の精神を基調とし、生涯学習の基盤を培うとともに、国際的な視野に立って、21世紀を担う子供に「生きる力」を育むという重大な使命をもっている。
学校教育に携わる者は、教育に関わる諸々の実態を踏まえ、家庭・地域との連携を図り、確かな見通しをもち、温かい心で子供に接し、豊かな心を育て、個性を生かし、一人一人の可能性を最大限に発揮できるよう努めることが大切である。
また、教育の質的向上を図るため、教育公務員としての自覚のもと、広く英知を結集し、識見と力量を高める研修が一層必要である。
学校は、校園長を中心として充実した活力ある教育実践を積極的に進め、市民の信頼と期待に応えるよう努めなければならない。
平成29年4月1日 和歌山市教育委員会
◇ 確かな学力の育成
◇ 道徳教育の充実
◇ 健やかな体の育成
◇ 特別支援教育の充実
◇ 不登校・いじめ問題の解消
◇ 子供の安全確保の徹底
◇ 地域とともにある学校づくりの推進
1 本年度の重点課題
(1)「生きる力」を育む教育実践を充実する
◎ 知・徳・体の調和のとれた子供の育成に努め、温かい人間関係を醸成し、命の尊厳を体
得するように指導する。
○基礎的・基本的な知識・技能の習得を徹底するとともに、学習習慣の定着を図り、確か
な学力の向上に努める。
○自ら課題を見つけ、解決するための思考力、判断力、表現力の育成を図る。
○知識基盤社会に対応する言語の力の涵養とコミュニケーション能力の育成に努める。
○情報化の進展に対応できる能力・態度の育成に努める。
○豊かな心をもち、たくましく生きる人間の育成を図る。
○伝統と文化を尊重する態度を養うとともに、郷土や国を愛する心を育む。
○国際社会で主体的に生きる日本人としての資質・能力の基礎を培う。
○食育の推進と体力の向上に努める。
○健康・安全で活力ある生活を送るための基礎を培う。
○生涯を通じて学び続け、社会の変化に主体的に対応できる能力の育成に努める。
(2)信頼され魅力ある学校づくりを推進する
◎ 幼稚園教育要領、学習指導要領の趣旨を踏まえ、教育目標に即した指導理念の統一を図
り、人間形成の場にふさわしい学校・学級づくりに努める。
○学校の教育課題を把握し、各教科等の調和を十分考慮した教育計画を立てる。
○学校・家庭・地域が連携・協働し、地域とともにある学校づくりに努める。
○健康的かつ安全で、豊かな人間性を育む教育環境を整える。
○個に応じた適切な指導と必要な支援を行い、学ぶことの楽しさや達成感を得られる教育
活動を展開する。
○いじめ・不登校の未然防止や早期発見・早期対応に努め、学校全体で組織的に問題解消
に取り組む。
○地域の自然や文化、人材等を生かした教育活動の充実に努める。
○家庭や地域、関係機関、異校種等との連携を図り、子供の安全確保と健全育成に努める。
(3)教育公務員としての資質を高める
◎ 全体の奉仕者であることを自覚し、高い遵法精神と規範意識を持って、常に自己の研
鑽に努める。
○ 教 育 活動を振り返るとともに積極的に研修に努め、相互に学び合い、教員としての指
導力・専門性を高める。
○子供を見つめ、深く理解し、その成長を支援する。
○子供一人一人が主体的に参加できる授業づくりに努める。
2 学校教育の重点
(1)豊かな心情、思いやる心をもつ
○ 身 の まわりのものを生かし、大切に扱う。
○ 美 し い学習環境づくりに努める。
○ 相 手 の立場を理解し、よりよい人間関係を築く。
○ 感 謝 の気持ちを大切にする。
○美しいものに感動する心や、正義感を大切にする。
○読書を通し、豊かな感性を育む。
○ 自 然 や文化に親しみ、よき伝統を尊重する。
○ 国 際 的な視野に立ち、文化の多様性について理解を深める。
(2)人権を尊重する
○生きることの尊さを理解し、自他の生命を大切にする。
○科学的・合理的な考えに基づいて、同和問題をはじめ様々な人権問題を正しく理解する。
○言葉のもつ重みを理解し、日常の言葉遣いを正しくする。
○障害のある人や高齢者への理解と交流を深め、共に生きる。
○男女互いに人権を尊重し、男女共生社会の担い手となる。
○人権に関わる問題に気づき、力を合わせて解決していく実践力を養う。
(3)健康な心と体をつくる
○外遊びやスポーツ活動に意欲的に取り組み、基礎的な体力を高める。
○自らの健康や食生活に関心をもち、正しい知識や望ましい態度を身に付ける。
○食事、運動、休養・睡眠の調和のとれた規律ある生活習慣を身に付ける。
○身のまわりの安全を確かめ、危険回避の正しい判断力を身に付け、事故の防止に努める。
○喫煙、飲酒、薬物乱用等の害について正しい知識を身に付ける。
(4)生き生きと遊び、進んで学ぶ
○人や自然、地域社会と関わりながら、遊びや学びを創造する。
○互いの人格と個性を尊重し、よりよい人間関係を築く。
○自ら課題を解決する意欲をもち、互いに磨き合い、高め合う。
○学び方を身に付け、自らの可能性を伸ばす。
(5)規律ある行動をする
○自らの目標を定め、計画的に実行し、最後までやりぬく。
○きまりを守り、社会の一員としての自覚をもつ。
○反省する心を失わず、正しい判断に基づき、責任ある行動をとる。
○情報社会のルールとマナーを守り、情報を適切に活用する。
(6)よりよい社会の形成者となる
○災害に備え、命を守るための知識・判断力・行動力を身に付ける。
○身近な環境に関心をもち、その保全に努めようとする。
○進んで働き、勤労の意義を理解し、その尊さを知る。
○地域の一員としてボランティア活動等に積極的に参加する。
○地域の歴史や文化のよさを知り、ふるさとを愛する心をもつ。