和歌山市立四箇郷小学校

道草を食う - 6年生を送る集会 -

道草を食う

「馬が道端の草を食っていて、進行が遅れる。転じて、目的地へ行く途中で他のことに時間を費やす。途中で手間取る。」(出典・デジタル大辞泉)

みなさん、この六年間はどうでしたか。もちろん僕が尋ねていることは、下校時の本当の「道草」ではなく、学校や家での生活が順調に送れてきたかどうかの質問です。人生の先輩として言わせてもらうと、たった六年間だとほとんど障害もなく回り道もせず、そんなことすら意識もせず過ごしてきた人がほとんどだと思います。この機会に、一人でゆっくりと思い返してみるのもいいかもしれませんね。

結論から先に言います。それは「道草を食う」ことは決して悪いことではないということ。君たちにはこの先、いくら考えても努力しても、工夫しても頑張ってもうまくいかないことが山ほど待ち構えています。それが普通のことで当たり前のことなのです。ゆえに目標や希望を達成するのに、遠回りして人よりも遅れても気にしなくもいいというわけ。場合によっては、自身のハードルを下げる勇気も必要になってくるかもしれません。

なぜそんなことが言えるのか。それは僕がみなさんよりも長く生きてきたから。たくさん経験していろんなことを見聞きしてきたから。だから自信をもって「道草を食ってもいい」と、それどころか「道草は大切」とまで声を大にして言いたいですね。


他のことに時間を費やし、途中で手間取ることで得られることも多いことを頭の片隅に、そして得することもあるということを心の引き出しに入れておいて下さい。


卒業は目の前です。

2018.2.28  上田 仁

このページのトップに戻る