教育目標
21世紀に生きる望ましい人間像をめざし、一人ひとりの子どもの主体性・創造性を養い、心身ともに健康で、豊かな人間性や社会性のある子どもの育成をめざす。
たくましい子
・・・力いっぱい最後まで゛がんばりぬく子
進んで体をきたえる子
やさしい子
・・・相手の立場を理解し、思いやり協力できる子
自然を愛し、生きものや物を大切にする子
考える子
・・・社会や自然の変化を鋭くとらえ自ら学ぼうとする子
なぜかなと自ら考えを深める子
校内研究
研究主題
「豊かな学力の充実をめざして」
~自己表現力を豊かにし、仲間と関わりあいながら伸びていく子どもの姿を求めて~
(1)主題について
心根が優しく明るいというのは、本校の子どもたちの特長であろう。休憩時間などには、学年の枠を超えて楽しそうに遊ぶ光景がよく見られる。掃除、係活動、委員会活動などにも一生懸命取り組み、前向きに努力していこうという意識も十分もっている。 しかし学習の場となると、「考えがもてない」、「どう表現してよいのか分からない」、「自信がない」といった子どもが多く見られる。このため授業中の話し合いの場においては、自分の考えを伝え、深め合ったり広げ合ったりといった「仲間と関わりあいながら伸びる」部分に弱さが認められる。こうした実態は本校の学力課題のひとつが表出しているものととらえる。
(2)本校の考える学力
人間のたくさんの能力の中で、とりわけ学校教育によって系統的に習得される知識や技能を中心として、子どものなかに形成される人間的能力ととらえる。
①学習意欲(学力を支える人格)などの力。
②判断力、理解力、表現力、思考力などの力。
③読み・書き・計算という基礎的な能力。
④自然、社会、科学、芸術、文化などの知識。
① について
学習意欲とは、学習活動への意思の積極的なかまえのこと。このかまえは、学習活動の成果によって、まずつくり出され、その成果が生み出す見通しや目的意識をもつことによって強化されていく。学習意欲は、学習の喜びを認識し、人間性の自立の感情をつくり出すことによって伸びていく。子どもを人間的にはげます評価(「自分もできるんだ」という子どもの達成動機をはげます)をすることによって強化されると考える。
② について
本校の教育目標の一つである 「考える子(社会や自然の変化を鋭く捉え自ら学ぼうとする子、なぜかなと自ら考えを深める子)」という項目に関わる。自己表現力とは、自らの思い・考え・願いを表出する力であり、それは単に、書いたり話したりといったことに留まらず、身体表現や絵や造形物での表現もその一つであるととらえる。自分のことを伝えたいという意欲は、ひいては豊かに生きるということにも繋がる。仲間と関わりながら伸びていくということは、自分の考えを明確にしたり、相手の考えの要点を聞き取ったりといった技術的な問題だけでなく、受容感溢れる触れ合いをもつことである。それゆえ、互いの思いや考えを交流するだけでなく、人と人との感情の交流も大切にしなければならないと考える。
③ ④について
・読むこと、書くこと、計算することの意義
「読むこと、書くこと」とは、物事を言葉によって分析・総合し、物事の共通した性質のあいだの関係をとらえることと考える。「計算すること」とは、量と数を通して、物事を分析・統合することと考える。計算が分かるためには、まず、その意味と計算の操作の順序が分かり、そして、実際に適用できなくてはならない。読むこと、書くこと、計算することを通して身につけた知識や概念が、他の教科で学ぶ知識や概念の基本になり、物事を意識的、自覚的に分析・統合・概括(一般化)する力となる。
(3)基礎学力について
基礎学力は、子どもたちが自分をとりまく世界をわかっていく力の基礎(生きていくための基礎)となる。読み・書き・計算という基礎的な能力だけでなく、課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力のもととなる基礎的・基本的な知識及び技能を基礎学力ととらえる。
(4)主題に向けての努力点
上記の本校の学力観とその実態から、本年度の主題に迫るために以下の努力点から迫ることにした。
■学力の土台づくり
・子どもたちの生活づくり・授業のユニバーサルデザイン化・環境を含めた知的な学校風土づくり
■学習意欲づけ
・自尊感情や自己肯定感を高める ・学習の動機づけの工夫
■「かく」ことを通して
・「漢字」の読み・書きの能力を上げるための「漢字の博士試験」の実施
・発達段階に即したあらゆる教科等での活動の具体的な自己表現の実践
■「かく」ことで「関わりあいながら、伸ばす」
・学習においての意見交流の場の工夫と「意欲づけ」のための評価の在り方