雨の日が続いていましたが、少しやんだ隙間にきく組さんが畑の野菜を見に行きました。
たくさん野菜を収穫して来てくれて、「キュウリ、ナス、ピーマン」どうやって食べようかなあ・・・
キュウリは、冷え冷えキュウリに、ナスは浅漬けにすることにしました。
さて、問題は美味しそうな真っ赤に、橙に熟れたミニトマトです。
「ちょっと、数えてみるわ」「ちょっと、触ったら数えられやんから、待ってね」と、たんぽぽ組さんが近くに来ると、優しく声をかけていましたが・・・本当は、困っていたのです。
「きくさん、12人やろ?」「12個どけたら、10個になるんよ」「全部で22個出来たんだけど・・・」
「10個だったらゆりさんとたんぽぽさん、足らんよなあ」「ゆりさん何人いてるん?」「たんぽぽさんは?」
そこで、「トマトいらないよっていう友達もいるかもね」という先生の声掛けに、
「そうか、”食べたい人いる?”って聞いてくるわ」
「先にゆりさんに聞いてこよう」「ゆりさん、トマト出来たんやけど、食べたい人いますか」
「はーい」「どうぞ」「洗って食べてね」「手も洗ってね」
「ここで遊んでいる人、食べますか?」「どうぞ」
「次はたんぽぽさんやな」「たんぽぽさん、トマト食べたい人いますか?」
「食べたい」「私も」「洗って食べてくださいねー」「はーい」
「あっ食べたいですか?」「どうぞ」
「ゆりさんとたんぽぽさんに食べてもらえてよかった」「あっ、あと6個残ってるわ」
「そうや、先生にあげよう」
「先生、どうぞ」「ありがとう」
「どうぞ」「いいの?」「いいよ」
「あと2個、あっ先生いてた」「どうぞ」「ありがとう」
「これで全部なくなった」「よかった、食べたい人 みんな食べられたわ」
毎日、畑で収穫をしていて、ミニトマトは収穫した人が、その場で食べることが多いのですが、今日はたまたま雨が降りそうだったので、カゴを持って採ってきました。
数えてみると「22個」この数が多いのか、少ないのか、でもきくさんがみんな食べるとゆりさんやたんぽぽさんが食べられないということに気づいた5歳児です。自分も食べたいけど、みんなにもあげたい。
そこで、先生の声掛けで”食べたい人いる?って聞くこともいいよね”と思えた子供たちは、困った問題の解決のきっかけをつかめたのかもしれません。
調理してみんなで食べられるものも、そうでないものもあることで、今回は収穫した子供たちが、納得して食べる経験が出来たのかもしれません。
一つ一つの体験を大切に捉えて、一人一人が感じていることに敏感になり、寄り添っていけるようにしていきたいと思っています。