先日から、チョウチョウをつかまえることを楽しんでいたゆりさんが
園庭で困っていました。
「チョウチョウ つかまえたいのにハチが来てるんよ」
何度も近づこうとしますが、やっぱりハチも花の蜜を吸いに来ます。
「もうっ」と怒っていると、植物が好きなきくさんが来ました。
そういえばこの二人、さっきも花を植える時に近くにいました。
「これ、何の花?」
「アルストロメリア」
「きれいな花だね」
「この小さいのは?」「わからない」
そんなやり取りをしていると、
「あっ これ見つけた」
「ひっつくんよ」
「ほら」
「そうなの?ぼくにも やって」「くっついたー」
「先生にもつけちゃおう」
みんなで小さなひっつく実を服に付けたまま遊んでいると、
「この中 どうなっているんだろう」と、枯れたルピナスの花の茎を
採り、裂き始めました。
「これは、何も入ってないなあ」
「これは?」葉っぱの部分をとって墓を調べてみると、
「ちょっと何か出てきた」
「これ、ぼくも欲しいんだけど」
実は、ルピナスはこのきく組の子供が植えたものだったので、どうするのかなと
思っていたら、「いいやつ 探してあげる」「これ とっていいよ」と、ゆり組の子供に
優しく答えました。
「これ きれいな葉っぱだね」
「お水に入れて 飾ろう」そう言って、ゆりさんはクラスに持ち帰り、
今もお部屋に飾っています。
興味を持ったことや面白そうなことに、子供たちは惹かれるようについていきます。
最初はチョウチョウをつかまえたかったけど、ちょっと目線を変えると
おもしろそうなことは、あちこちにあったのでしょうか。
年長さんの探求心にゆりさんも心惹かれ、同じことをやってみたくなったのでしょうか。
きれいな花の名前を知り、ひっつく実の存在を知り、ルピナスの茎の中を見て、
そして素敵だなと思った葉っぱをもらって、
大満足な時間だったことだと思います。きっと、年長さんも同じ思いだったのではないかと思います。